大根おろし効果

ビタミンA・ビタミンC、食物繊維や胃腸を整えるアミラーゼなどなど、栄養が豊富に含まれている大根。デンプンを分解して消化を助けてくれるなど健康効果も抜群な、大根のスーパーパワーを最大限に取り入れるには大根おろしが最適だという。その理由は、おろすと出る最強成分にあった。実はおろすことでダイコンには本来ない成分「イソチオシアネート」が生まれるのだそう。それこそが、大根のスーパー成分なのである。「イソチオシアネート」は、大根の辛味成分のもとになるのだが、管理栄養士の浅野まみこ先生は「この成分は体の中で生活習慣病の予防をする働きをしてくれるのです」と教えてくれた。大根をすりおろして細胞が壊れることで初めて作られる「イソチオシアネート」は、殺菌力があるため風邪予防効果が期待できる。さらに抗酸化作用もあるので、老化防止や肝機能の向上などにも効果が見込まれている。「大根おろしに医者いらず」という言葉はここからきていたようだ。ちなみに、「イソチオシアネート」の成分は時間と共に消えてしまうので、おろした直後に食べるのが正解。

さらなる大根おろしのパワーを調査するため、大根の名産地・福井県へ。特に冬は大根をよく食べるという大根農家のみなさんに協力いただいて血管年齢を測ってみると、ほとんどの人が実年齢よりも血管年齢が若いという結果が。中には実年齢より10歳も若い方も!みなさん共通して、「イソチオシアネート」たっぷりの大根おろしを食べているという。朝はシンプルに大根おろしをそのまま熱々のご飯にかけて食べるのが定番。
ちなみに、大根のおろし汁も福井県民は捨てないで活用している。地元のお蕎麦屋さんでは、普通の大根よりさらに辛い辛味大根のおろし汁が、麺つゆのベースになる。食べるとピリッと辛い、福井名物の「越前蕎麦」には、おろし汁の酵素がたっぷり入っている。さらに、そばに含まれる「ルチン」という成分は動脈硬化や脳卒中を予防するので、相乗効果バツグンだ。