体に合わない枕を使い続けていると、さまざまな体調不良の原因となります。最も多い症状は肩こりや首こりです。枕の高さが合っていないと寝ている間、肩や首の筋肉が緊張した状態が続き、肩こりや首こりが起こります。
また、体に合っていない枕の使用で首が圧迫されると、交感神経が緊張状態になります。脳への血流がスムーズにいかなくなった結果、頭痛が発生することもあるのです。さらに、枕が高すぎる場合はあごを引いた姿勢になってしまい、気道が圧迫されていびきの原因にもなります。背骨にも負担がかかり、腰痛を引き起こすこともあるでしょう。
枕の選び方とは?
枕選びのポイントは、枕の高さ・大きさ・素材・形の4つです。最適な枕を選ぶために、どのような点に気を付ければよいのかそれぞれ解説します。
枕の高さ
前述のとおり、寝たときに脊柱のS字カーブを維持できる高さの枕を選ぶことが大切です。性別や体型、睡眠中の姿勢があおむけか横向きかなどによっても、楽な姿勢をキープできる高さが異なります。
性別に合わせて選ぶ
一般的に男性は頭を乗せたときに2~5cm程度の高めの枕を選んだほうが、快適に感じる傾向があります。それに対して、女性は使用したときに1~3cm程度の低めの枕のほうが快適だと感じやすいようです。これは、男性と女性では頸椎弧(首の深さ)が異なり、女性には頸椎弧が浅い人が多いためです。
体格に合わせて選ぶ
日常的に運動をよくしているなど、頑丈な体格の人は脊柱のS字カーブもしっかりとしている場合が多いため、高さがある枕がおすすめです。一方、女性や子どもなど体格がほっそりとしている人には、低めの枕のほうが体にフィットしやすいといわれています。自分の体格も高さを選ぶ際の参考にしましょう。
寝るときの癖で選ぶ
寝たときにあおむけの姿勢をとることが多い人もいれば、横向きで寝ることが多い人もいます。寝るときの癖には個人差があるのです。そして、どちらの姿勢をとるかによっても、適切な枕の高さは異なります。
あおむけで寝る人には、側面から見たときに首のS字カーブが保たれる高さの枕が向いています。一方、横向きで寝る人には、寝たときの首の骨を床と並行に保てる高さの枕が適切です。
枕には脊柱に負担をかけない寝姿勢を維持する目的があり、健康のために体に合った枕を選ぶことが大切です。