ささくれ(さかむけ)原因

そもそもささくれって何?

ささくれは2種類あって全然違う

実は、ささくれには2つの種類があるのは知っていますか?
その2種類とは、爪の根元にできるささくれと、爪の横にできるささくれ。私は両方とも経験がありますが、その違いはできる場所だけではなく、ささくれ自体の質感や生え方、カットの難しさも異なります。

1つめ、『指のささくれ』=爪の根元にできる皮膚のささくれ。

ささくれが柔らかく、複数できることも


皮膚の一番上の表皮が破れてめくれるもので、ささくれが薄くて柔らかい事が多く、できたとしても比較的に根元からきれいにカットしやすいです。

ただ例外として、表皮だけでなく爪の根元のお肉が裂けるように分厚くめくれる例ありますが、これが広範囲になってくると爪を根元で支える部分(ネイルフォルド)自体がなくなってしまいます。このケースは親指によく見られますが、癖、慢性化すると、剥いたささくれ傷が乾いて硬くなる→また引っかかるところを剥く、を繰り返すうちにどんどん広がってしまい、爪を失うまで悪化することも。

ストレスからささくれを剥くのをやめられない人、子供の頃からの癖という人も意外と多く、慢性化する前に受診することやまわりの人からのサポートも大切です。

2つめ、『爪のささくれ』=爪の横にできる硬いささくれ。

小さくても硬くて引っかかりやすい爪のささくれ

この爪の横にできるささくれは皮膚ではなく、れっきとした爪。
一見、硬くなった皮膚のように見えますが、『小爪』(こづめ)とも呼ばれ、乾燥した爪のいちばん端が細く縦に裂けて、まるで爪の横にささくれが生えているように見えるのです。
ちなみに英語では『Hangnail(ハングネイル)』と言いますが、指(皮膚)のささくれも含めてそう呼ぶそうです。


爪の先に何かが当たる衝撃等で、いちばん端の部分に縦に裂け目ができてしまい、生活の中での負荷でだんだんその避け目が縦方向に広がっていくと爪本体と離れ、根元だけでつながった状態になっているのが『爪ささくれ』です。

今までこれを皮膚だと思って引っ張ったり抜こうとしたりしていた人、ささくれと言えど爪はしっかりと生えているので抜けにくく、そしてかなり痛かったり血が出たりしていたはず。無理やり引き抜くと根元の傷は深く、細菌が入れば化膿するリスクもそれだけ高まります。

ささくれができる2大原因

ささくれができる原因は大きく2つ、乾燥や手への刺激による外的要因と、体の不調が現れる内的要因に分かれます。

外的要因は主に乾燥、これがささくれのいちばんの原因と言えます。アルコール消毒による脱脂や、家事洗剤での手荒れなどもここに直結します。加えて、段ボールや紙類、土や水にふれる機会の多い生活環境も大きく影響し、爪を噛む癖や子供に多い指しゃぶりから細菌が入ることもあります。

そして、内的要因は体の中から。口内炎がイメージしやすいですが、不規則な食生活や睡眠、ダイエットやストレスも原因になります。特に、ささくれが1本の指だけではなく何本もできたりするようなら体からのシグナルでもあるので、なにか思い当たることはないか生活を見直してみましょう。

ささくれ?さかむけ?親不孝が原因?

ささくれ、さかむけ、いろんな言い方をされますが、どう違うのでしょうか?

どっちがひどいとか、ささくれの方向によって違う、というのも聞いたことがありますが、これらは一緒。一般的に東日本では『ささくれ』、西日本では『さかむけ』と呼ばれているそうです。有名な小林製薬さんのささくれ用の薬、『サカムケア』というネーミングも小林製薬さんが大阪の会社だから、と納得です。

そして、爪にはいろんな迷信がありますがその1つ、『ささくれの原因は親不孝』の謎。諸説ありますが、言われ始めたのはかなり昔、親を大切にせず自堕落で不規則な生活が原因、ということだと思われ、2つめの原因である内的要因と言えそうです。個人的には、よっぽど思い当たることがない限り、ささくれができたからと言って自分は親不孝なのか…と落ち込む必要はないと思います。