今が旬の食べ物

「食」は健康の基本。中でも“今が旬”と呼ばれる食べ物には、夏なら体を冷やし、冬なら温めるといったように、人間の体にうまく働きかけてくれるものがたくさんあります。また“旬”の食材を使うと、おいしさも格別ですし、栄養価も高くなります。最近では、ハウス栽培や養殖などにより1年を通じて店頭に並ぶ食材が増えましたが、本来の収穫時季にとれたものを食べるのは、体調を整えるためにも大切なこと。

旬の食材は、出荷量が多いためお買い得になるだけではなく、旬の季節に取れたからこその高い栄養価が期待できます。また1月に増える風邪やインフルエンザ予防に効果的な食材も多いのです。

1月

野菜/ほうれん草、小松菜、大根、にんじん、れんこん、山いも、芽キャベツ果物/オレンジ、はっさく、キウイ、きんかん魚介/ブリ、マナガツオ、アマダイ、ヒラメ、サケ、タラ、ワカサギ、イカ、カキ

ハウス栽培など栽培技術が発達した今の日本では、年中いつでも食べられる食材が増えてきました。しかし、四季それぞれに応じた食材を楽しむ文化は昔から存在し、今でもその考え方は受け継がれています。
旬の食材を味わうということには、季節の移り変わりを感じられるだけではなく、次のようなメリットもあります。

  • 食材が多く収穫できるので比較的価格が安くなる
  • 栄養価が高い
  • 新鮮でおいしさが増す

栄養価の面でいうと、夏に旬を迎えるトマトの場合、ビタミンの一種であるカロテンの含有量は、旬を迎える7月は528μg、11月は241μg(トマト100gあたり)と半分にまで減ってしまいます。トマトは消費量も多く、一年中スーパーで買うことのできる野菜ですが、旬の時期には特に多くとり入れたいですね。

また、ほうれん草においては、食品成分表においても夏採りと冬採りに分けられています。ほとんどの成分に大きな差異はありませんが、ビタミンCに限っては旬を迎える12月は84mg、9月には17mg(ほうれん草100gあたり)と大きな違いがあるようです。同じほうれん草を食べるとしても、時期によってビタミンCの摂取量が変化するということを知っておきましょう。

通年で食べることができる野菜が増えていることはとても嬉しいことですが、栄養価には大きな差がある場合もあります。その差を考慮して、季節の食材を積極的にとり入れた献立を心がけていきたいですね。