衝撃…「米を食べない」「減塩ダイエット」で寿命が縮む

やっぱり米は万能だった

「でんぷんの源であるお米を適切に摂らないと、人の身体は栄養バランスが崩れて健康に害が及びます。私たちの身体から糖質がすべてなくなってしまうと、たちまち衰弱してしまうのです。

結局、年齢を重ねると、なにか疾病を持っていない人ならむしろ太るくらいにご飯を食べるほうが健全なのだと感じます。しっかりとお米を食べ、それと一緒にタンパク質など他の栄養素も摂取する。それが一番バランスの取れた形なのです」

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米などの炭水化物を食べないでダイエットする、いわゆる「糖質制限」。これを無理に続けると、寿命が縮んでしまう。

今年11月24日にはNHKスペシャル『食の起源』でも米と日本人の関係が取り上げられ、話題を呼んだばかり。番組中では米と人類との長い歴史が紐解かれ、米すなわち糖質こそが脳の発達や生命維持に欠かせない存在であったことが明かされた。

たしかに糖質制限は、半年から1年という短期間で実践すればスルスルと体重は落ち、劇的なダイエット効果を上げることができる。ところが、その先に待っているのは我が身の破滅だ。

「米を食べない糖質制限を2週間も続けたら、身体には確実に弊害が出てきます。脳は1日に400キロカロリーのエネルギーを必要としています。そのエネルギー源は、すべて糖質なんです。

たんぱく質や脂質などを大量に摂る一方で炭水化物だけを摂らない状態が続くと、身体がパニックを起こし『飢餓状態』だと錯覚してしまいます。

食事からは脳を働かせるための糖分が摂取されないので、身体は機能を無理やり維持しようと、体内の筋肉を分解して養分を補填してしまう。つまり、身を削ってなんとか帳尻を合わせようとするのです。そんな状態は、健康とは程遠いものです」

とりわけ日本人にとって、米は弥生時代からの絶対的な主食。私たちは、米を食べることの効能を、知らず知らずのうちに享受してきた。

「お米に含まれるでんぷんには、『レジスタントスターチ』という成分があります。この成分が大腸に届くと、食物繊維のように腸内環境を改善してくれるのです。

レジスタントスターチは大腸で短鎖脂肪酸も生み出します。この脂肪酸が大腸細胞のエネルギー源になり、細胞の分化を促します。要するに、お米を食べることで、健康の要である腸が元気になるのです」

60歳を過ぎた人の中には、食事の際に「量が食べられないから」と米に手をつけず、おかずだけを食べる人も多い。だが、脂っこいものや味の濃いもの単体だと、消化に時間がかかってしまう。胃腸機能が低下しているならば、なおのことだ。

胃腸が消化のために疲労すると回復までに時間がかかり、お腹が空かなくなる。すると食事の総摂取量が減り、必然的に低栄養状態に陥る。

「お米は他の食べ物と比べても、消化の負担が少ない穀物です。消化されやすく胃もたれしないので、身体にとって自然な形で栄養が行きわたります。

おかずと一緒に食べると、その消化吸収も助けてくれる。食後にも胃がしっかり休まるので余裕ができ、いいサイクルでお腹が減ります。3食ちゃんと食べることができて、低栄養状態とは無縁な身体になります。

さらにお米の効能として見逃せないのが、免疫機能の改善です。低栄養が続くと低体温になり、免疫機能も低下してしまう。それをキッカケに、様々な病気に冒されてしまうのです。

その点、お米を食べると体温が上昇しやすく、免疫機能が上がる。加えて、体温上昇によって関節痛なども緩和します。私自身、これまで多くの方々の食生活を見てきました。現場の実感として、やはりお米を食べる人ほど、健康で元気です」