納豆菌=最強伝説!

納豆菌。日本人ならほぼ全ての人が聞き覚えのある名前でしょう。

日本発の納豆菌、実はとんでもない能力(効果)の持ち主なのです。

納豆菌はなぜ強い?胃酸に負けずに生きたまま腸に届くってホント?

ネバネバの納豆を箸ですくっている

納豆は健康にいい〟という事は誰もが知っていますが、納豆のどんな成分がどのように効果を及ぼすのか?説明できる人は意外に少ないようです。その秘密は〝納豆菌〟にあります。納豆菌は、大豆を発酵させて納豆になるときにさまざまな有用成分をつくりだします。

納豆菌は、過酷な環境になったとき、強いバリアをつくって休眠状態になり自分の身を守ります。 そのバリアのことを芽胞(がほう)といいます。この状態になると、”胃酸ごときに”負けることなく生きたまま腸まで届きます

芽胞状の納豆菌の驚くべき〝生命力〟

納豆菌の驚くべきパワーは、芽胞の状態にある納豆菌の生命力にあります。 
空気が無くなっても、胃酸の中でも、100℃以上の熱で沸騰しても、0℃以下になっても、深海並みの圧力下でも、宇宙空間並みの放射線を浴びても耐えられる、強くたくましい微生物なのです。芽胞の状態の納豆菌はまさに最強なのです。
この強さが、「生きて腸まで届く」と言われる所以です。

食品製造現場では納豆NG!? 納豆菌は繁殖力もすごいんです。

そして、納豆菌は生育のスピードが早いことも知られています。納豆菌には雌雄がなく、自分の遺伝子をコピーし、新しい体を作る〝分裂増殖〟で増えていきます。

一つの体(細胞)が二つに増えるのに必要な時間は、約30分。つまり30分後に2倍、1時間後には4倍、2時間後には16倍に増える計算になります。この繁殖力の強さが原因で、食品製造の現場で納豆がNGとされていることもあるのです。

納豆菌と乳酸菌(腸内細菌)はとても仲良し

芽胞状の納豆菌は、胃酸の攻撃にも耐え、腸に届きます。納豆菌は空気がある状態で元気に活動するので、小腸の前半部分で働きます。腸内細菌の中でも善玉菌と言われる乳酸菌は小腸の後半部分で働き、ビフィズス菌は大腸で働きます。乳酸菌たちとは住み分けが出来ておりケンカになりません。

そして、納豆菌が作ったオリゴ糖や食物繊維は、乳酸菌たちのエサとなります。乳酸菌たちはオリゴ糖を食べて元気に活動しますが、デンプンをオリゴ糖に分解する力が弱いのです。

また、乳酸菌が苦手な過酸化水素を納豆菌が分解し、乳酸菌が元気に活動できる環境を作ります。納豆菌は、乳酸菌などのサポートをして、腸内環境を正常に保つ働きをしています。納豆菌は、乳酸菌たちと共に人の腸内にはなくてはならない菌なのです。

納豆菌は、環境にもやさしい

納豆菌と、納豆菌が作るネバネバ物質(ポリグルタミン酸)は、水質浄化や砂漠の緑化などにも役立っています。特に海外では、地下水などを浄化し安全な飲み水を作ったり、汚水を浄化して環境破壊を防ぐなどの働きをしています。砂漠では、砂の中にポリグルタミン酸を埋めて保水をし、植物の生育を助ける緑化活動にも活躍しています。