最も身近なスーパーフード「納豆」。女性が積極的に食べたほうがいい理由とは?

日本人にとって身近な食べ物の代表「納豆」。老若男女に愛され、日々何気なく食べられている納豆だけど、実は女性にうれしい効果がたくさんあるスーパーフードだった。

美肌効果、アンチエイジングにも!

そんな納豆、たんぱく質、ビタミンB₆、鉄分、マグネシウム、食物繊維、カリウムなど、女性にうれしい栄養素をたくさん含んでいる。さらに、長年研究を重ねられ、栄養素だけではなく、体にうれしい成分もたっぷり含まれていることが判明している。今回はそのなかでも特に女性にうれしい成分、大豆イソフラボンアグリコン、ポリアミンをご紹介する。

①大豆イソフラボンアグリコン

「大豆イソフラボンを摂取するなら、納豆じゃなくてもいいよね?」という声が聞こえてきそうだけれど、実は納豆に含まれる大豆イソフラボンは”大豆イソフラボンの進化系”。納豆を作る前、発酵前の大豆に含まれるイソフラボンは、糖が結合されていて、体に吸収されにくい。

しかし、発酵をさせると、糖が分離した分子構造に変化し、大豆イソフラボンアグリコンになる。この大豆イソフラボンアグリコンは吸収効率がよく、エストロゲン(女性ホルモン)の分子構造に似ており、エストロゲンに近い働きをすることがわかっている。

エストロゲンは、肌のアンチエイジング作用、月経随伴症状の軽減、更年期症状の緩和、骨粗しょう症の予防、体脂肪改善など、女性にうれしい働きばかり。20代をピークに、エストロゲンの分泌量は減っていくので、体のためには食べ物から補ってあげることが大切。納豆の大豆イソフラボンアグリコンの含有率は、ほかの大豆食品に比べて高いので、効率的に摂取できるというわけ。

②ポリアミン

細胞の新陳代謝を正常に行うために必要不可欠な成分、ポリアミン。新陳代謝アップ、肌のターンオーバーを助ける、動脈硬化の予防、脂肪が燃焼されやすい体にしてくれる、など、体にいいことづくめ。さらに、コラーゲン産生を高めるという作用も認められている。

ポリアミンは、体内で生成できる成分だけれど、加齢とともに作られにくくなるので、食べ物から摂取することが大切になってくる。

ポリアミンは、穀物の胚芽、豆類、野菜類、きのこ類に多く含まれるが、実は発酵によってその含有量が増加する。したがって、納豆や味噌、醤油といった大豆の発酵食品にはポリアミンが多く含まれており、そのなかでも納豆は納豆菌による発酵のおかげで、ポリアミンがとくに多く含まれる食品なのだ!

Natto on the rice, chopsticks

artparadigmGetty Images7 of 9納豆の正しい食べ方は?

納豆菌は芽胞(がほう)を作り、内に閉じ込もることができるので、熱して死滅することはほとんどないため加熱調理もOK。とても強い菌で、胃酸でも死なず、腸管に達することができるので、腸内でビフィズス菌や乳酸菌を育てて、お腹の調子を整える働きもしてくれるんだとか。

ときどき議論になる、「納豆はいつ(賞味期限)まで食べられるのか問題」。全国納豆協同組合連合会の広報担当の方に伺ってみたところ、実は納豆は置いておけば置いておくほど発酵が進むので、おいしく食べるには賞味期限ギリギリくらいにうまみが増すそう(感じ方には個人差があります)。また、納豆を食べるときに、白いつぶつぶが付いているの発見したことはあるだろうか。あのつぶつぶの正体はチロシンと呼ばれる成分で、過発酵すると出てしまう成分。あのつぶつぶが見え始めたら、ちょっとおいしさが落ち始めたかも、と判断したほうがいいという。とはいえ、腐りにくい食品なので、賞味期限が少し切れたくらいでは食べても問題なさそう。