腸腰筋が硬くなると骨盤が前傾し、正しく体幹を使えずに下腹を突き出したような姿勢になってしまいます。 腸腰筋が内臓を正しい位置に維持できず、内臓が下垂してしまうこともぽっこりお腹の原因となります。 下垂した内臓の働きが鈍り、便秘を引き起こすと、ぽっこり度合いはさらに加速するでしょう。
腰痛や反り腰が起こりやすくなる
腸腰筋は、座り姿勢が長く続くとずっと縮めていることになるため、十分に伸ばすことができずに硬くなりやすいです。腸腰筋が硬く短縮することで骨盤は引っ張られて前傾し、その反動で腰を反らせすぎると腰痛が生まれます。
テレワークで移動が減り長時間のデスクワークをされている方や、運転のお仕事をされる方に腰痛が多いのはこのためです。
むくみや冷え性が起こりやすくなる
腸腰筋が硬くなると、股関節まわりの動きが悪くなります。股関節の可動域が狭まり筋肉が弱まると、血行が悪くなり老廃物が溜まりやすくなるため、下半身のむくみや冷え性を引き起こします。
ぽっこりお腹になりやすくなる
腸腰筋が硬くなると骨盤が前傾し、正しく体幹を使えずに下腹を突き出したような姿勢になってしまいます。腸腰筋が内臓を正しい位置に維持できず、内臓が下垂してしまうこともぽっこりお腹の原因となります。下垂した内臓の働きが鈍り、便秘を引き起こすと、ぽっこり度合いはさらに加速するでしょう。
思わぬケガを引き起こすことも
脚を引きずるように歩く癖ができたり、階段でつまずきやすくなったという方は、腸腰筋がうまく使えていない可能性があります。
つまずいたときにとっさの動きがとれず、無理な体勢で受身をとろうとして捻挫や脱臼をしたり、骨折などの大ケガを負ってしまうこともあります。
体を温めてから行う
ストレッチは、運動後やお風呂上がりなど、体が温まり血液循環が良くなったときに行うことがおすすめです。体が温まっている状態だと、力を緩めやすく、より筋肉を伸ばしやすくなるでしょう。
ゆっくりと呼吸しながら行う
筋肉は、反動をつけると伸ばしたい部分が縮んでしまいます。ゆっくりと、時間をかけて伸ばしましょう。深い呼吸を意識することで、自然と良いペースでストレッチすることができます。
腰を反らせたり、骨盤を傾かせたりしないように行う
腸腰筋は股関節を曲げる(屈曲)筋肉であるため、反対の伸ばす動き(伸展)を意識して行いましょう。どのような動きかというと、真っ直ぐに立った状態で、左足を大きく後ろに引いて股関節を床方向に引き寄せると、左側の股関節がよく伸びますよね。そのような動きの状態です。股関節ではなく腰を反ってしまうと、逆に腰痛を助長してしまいます。上体がぐらついたり、左右に傾くと腸腰筋の伸びに繋がらないため気をつけましょう。
腸腰筋を柔らかくする、おすすめ簡単ストレッチ
腸腰筋を柔らかくする簡単なストレッチのやり方をご紹介します。猫背や反り腰などの姿勢改善にも効果が期待できますよ。おうちですぐにできる初心者向けのストレッチで、腸腰筋を柔らかくほぐしましょう。
①ニーアップ
背骨と太ももを繋ぐ大腰筋のストレッチです。大腰筋がほぐれると姿勢が安定するため、腰の痛みが起こりにくくなります。寝たままできるため、お風呂上がりや就寝前、朝起きたときに暖かい布団の中で行うのもおすすめ。朝は意外と体が固まっているため、ゆっくりとした呼吸を意識して行いましょう。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 仰向けに寝て、右膝を曲げて両手で持ちます。
- ゆっくりと息を吐きながら右膝を胸に引き寄せ、太ももとお腹をくっつけるようにします。このとき、左膝裏が浮いてきやすいため左のかかとを遠くに蹴り出し、左足を痛みのない範囲で床に伸ばして置くようにしましょう。
- 20秒間、ゆっくり呼吸しながら2の状態をキープします。
- ゆっくり息を吸いながら、太ももとお腹を離します。
- ゆっくりと息を吐きながら、両手を離し優しく右膝を伸ばし右足を床に下ろします。
- 左足も同様に行います。
■ニーアップのポイント
抱えていないほうの脚をしっかり伸ばし、床からの浮きを抑えることがポイント。左右にぐらつく方は、背骨を長くする意識を持つと安定しやすいです。