温活

温活とは、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。体温が低いことで、さまざまな不調をきたすケースもあるため、温活への注目が高まっています。この記事では、体の冷えに悩んでいる方に向けて、温活について解説します。体の冷えを引き起こす原因や今すぐ始められる温活の方法も紹介するので、冷えに悩んでいる場合はぜひ参考にしてください。

温活とは

温活とは、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。温活では、エアコンやストーブといった外からの力に頼らずに、自らの力で体を温めます。健康維持には基礎体温を上げることが重要だとされているため、温活により基礎体温が上がることで、健康を維持するために適した体温を保てるようになります。

温活が注目されている理由

体の冷えがさまざまな体調不良を引き起こす 

体の冷えは「万病のもと」とも考えられ、体温が低下することで、さまざまな体調不良が起こりやすくなるといわれています。症状はひとによってさまざまですが、肩こりやむくみ、免疫力の低下や生理不順などを引き起こすとされています。

特に、女性の場合には筋肉量が少なく脂肪が多いため、冷えに悩まされる人が多いことでしょう。しかし、男性の中にも冷えの悩みを抱える人が増えつつあり、老若男女問わず、温活が注目を集めています。 

温活することで健康な体になることが期待できる 

「冷え」をそのままにしておくと、さまざまな不調を引き起こす可能性があるため、放置しないことが大切です。自ら体温管理をして冷えを防ぐことで基礎体温が上がります。これにより、冷えからくる体調不良を防ぐことにつながると考えられるため、基礎体温を上げる温活に注目が集まっています。

温活で基礎体温が上がることで、血流が促進される、基礎代謝が向上しダイエット効果もあるなど、健康的な生活を送れるようになるでしょう。自らで温活することは重要ですが、症状がひどい場合には病院を受診してみてください。 

平熱低め、の人が増えている 

現代人は、昔の人と比べると基礎体温が低いといわれています。およそ、0.5~1.0℃程度は基礎体温が低くなっているとされており、現代人の平熱が低めであるとわかるでしょう。平熱を高めるために、温活を行う人が増えているようです。

理想的な体温は36.5℃以上だといわれているため、平熱が36.5℃以下の場合には冷えによって体調不良が起こる可能性も高くなります。特に、平熱が35℃台の人は冷えを感じやすくなるため、温活をおすすめします。 

体の冷えの原因とは

体の「冷え」とは何か 

冷えとは、体に熱が巡らずに手足などが冷たく感じる状態のことです。冷えというと気温が低い冬場に多いと考える人もいるでしょう。しかし、体が冷えやすい人は外気の冷たい冬だけでなく、真夏などの気温が高く寒さを感じにくい状況でも、冷えを感じやすいとされています。

更年期による「冷えのぼせ」といった症状もあります。冷えのぼせとは、手足は冷えているのに顔はほてっている、上半身に熱がこもるという症状です。このように、冷えとのぼせの両方を同時に感じるケースもあります。 

「冷え」を引き起こす原因 

筋肉量が少ない 

冷えを引き起こす原因の1つに、「筋肉量」があります。筋肉量が少ないと、体内で熱が作られにくくなるため、冷えを感じやすくなります。つまり、筋肉量が増えれば増えるほど、体温は上がるといえるでしょう。

筋肉量が少ないことで、基礎代謝も低下します。筋肉が基礎代謝量の多くを生み出すため、筋肉が少ないと基礎代謝が低下し冷えやすくなります。運動不足や間違ったダイエットにより筋肉量が減ると、冷えにつながるため注意しましょう。 

食べ過ぎや偏食 

食べ過ぎや偏った食事も、冷えを感じる原因だとされています。食べ過ぎてしまうと、消化のために胃腸に血液が集中します。これにより、筋肉や他の器官への血液供給が減ってしまうため、熱が作られにくくなり、冷えを感じやすくなるでしょう。

また、ファストフードや甘いお菓子、スナック菓子などばかり食べていると、栄養素が不足します。特に、鉄分やビタミンが不足してしまうと、血流が悪くなり冷えの原因となります。 

水分の摂取量と排出量のバランスが取れていない 

水分の摂取量と排出量のバランスにも気をつける必要があります。水分を多く摂ったほうがいいといわれていますが、これは体内の不要な水分をしっかりと排出できているときに効果的です。体が冷えている場合には、汗をかきにくく不要な水分を体外に排出しにくくなるため、注意しましょう。

体内の不要な水分を排出できていない状態で、たくさん水分を摂ってしまうと水分過多になります。水分が体内に溜まり熱が逃げやすくなってしまうため、冷えを感じやすくなります。 

自律神経の乱れ 

自律神経が乱れてしまうと、作られた熱が全身に行き渡りにくくなります。これは、自律神経の乱れにより血流が悪くなるためです。エアコンなどが効いた室内と、真夏の暑い室外とを出入りすることで、血管の収縮が激しくなることも原因だと考えられています。

また、自律神経の乱れは、ストレスや寝不足などが関係しています。ストレスが過度にたまっていたり、寝不足が続いていたりするとホルモンバランスが崩れ、自律神経の乱れにつながるため注意しましょう。 

「かくれ冷え性」の人もいる

冷え性というと、手足の先が冷たくなる状態だと思っている人も多いでしょう。しかし、自分は手足が冷たくなっていないから冷え性ではないと思っている人の中に実は冷え性だったというケースもあり、これを「かくれ冷え性」と呼びます。かくれ冷え性で起こりやすい症状は以下のとおりです。

  • 手足がむくむ
  • 手足がほてる
  • お腹の表面が冷たい

風邪を引きやすい、お腹を壊しやすいなどの体調不良が気になる人は、かくれ冷え性の可能性もあるため注意が必要です。 

すぐに始められる温活の方法

温活は、体を冷やさないことと体を温めることがポイントです。ここでは、すぐに始められる温活の方法を解説します。

腹巻するなど体を冷やさないように工夫する 

簡単にできる温活としては、体を冷やさないようにすることです。特に、下半身やお腹、首や手首足首などを冷やさないようにするといいでしょう。たとえば、腹巻やネックウォーマー、レッグウォーマー、アームウォーマーなど、部分的に温められてすぐつけられるアイテムがおすすめです。腹巻とパンツが一体化したものなら、下半身とお腹を同時に温められます。

また、血流が滞ると冷えにつながるため、締め付けの強い服や下着などの体を圧迫するものは避けたほうがいいでしょう。 

体を冷やさない食べ物や飲み物を摂る 

食べ物や飲み物の選び方によっても、体が冷えてしまうケースがあるため、体を冷やさない食べ物・飲み物を摂るように心がけましょう。

基本的には、冷たいものを避けることがポイントです。体温以上のものを選ぶようにするといいでしょう。寝起きには体を温めるために、白湯や温かいノンカフェインのお茶などがおすすめです。また、粉類や砂糖を含む食品は代謝を下げやすい、白砂糖は体を冷やすといわれているため、甘いものや粉モノなどの食べ過ぎには注意が必要です。 

日常生活に適度な運動を取り入れる 

温活では、基礎代謝を高めることが重要です。基礎代謝を高める方法としては、適度な運動が効果的です。日常生活の中に軽い運動を取り入れて、筋肉量を増やしましょう。筋肉がつくことで、冷えが改善されます。特に、筋肉量の7割は下半身に集中しているため、下半身を鍛えることがおすすめです。スクワットなどを行いましょう。

また、ヨガやストレッチ、ウォーキングなどを20分程度行うことは、冷え対策だけでなく健康維持にも役立ちます。 

シャワーだけで済ませず湯船に浸かる 

シャワーだけで済ませずに、湯船に浸かることも温活の1つです。忙しくて時間がない、お湯を張るのが面倒などの理由から、シャワーのみで済ませる人もいるでしょう。しかし、シャワーのみでは体は温まりません。

心身をリラックスさせるには、熱すぎないお湯(38~40℃)が向いています。30分程度ゆっくりと湯船に浸かりましょう。湯船に浸かるのが難しい場合は、蒸しタオルで首の後ろを温めると体温上昇が見込めます。 

不良姿勢を改善したり、冷えに効くツボをマッサージする 

温活では、姿勢にも注意が必要です。デスクワークによって不良姿勢が続くと関節が動きにくくなり、血流が悪くなったり使われる筋肉も少なくなったりするため冷えにつながりやすくなります。正しい姿勢を意識することで首周りの緊張がほどけて血流がよくなるため、冷えの改善につながるでしょう。

冷えの改善には、冷えに効くツボをマッサージする方法もあります。土踏まずの中央から少し上にある「湧泉」、足の指先にある「気端」などをマッサージしましょう。 

ヨガやアロマなどを活用して自律神経を整える 

自律神経を整えるためには、ストレスを抱え込まないこと、睡眠をしっかり取ることが重要です。そのために、リラックスできる環境を整えて、自律神経の乱れを改善しましょう。

たとえば、ヨガです。ヨガはストレスケアに効果があるといわれており、適度に体を動かすため血流の促進にもつながります。アロマもおすすめです。アロママッサージやアロマバスでリラックスしながら血流促進することで、冷えの改善につながるでしょう。 

温活は生活習慣の改善が重要

温活では、生活習慣の改善が重要です。温活をすることで体の温度は上がりますが、体を冷やす生活習慣を改めなければ、効果は半減してしまいます。冷えを改善したい場合には、日常の習慣を見直しましょう。

冷えにつながる習慣としては、以下が挙げられます。

  • シャワーのみで湯船に浸からない
  • 空調を使いすぎている
  • 運動不足
  • 偏った食生活
  • ストレスを抱えている
  • 寝不足
  • 不良姿勢が続いている
  • 過度なダイエット

これらの生活習慣は冷えにつながるため、意識して避けるようにしましょう。 

まとめ

温活とは、体を温めて基礎体温を高めることです。体温が低いと、さまざまな不調を引き起こす可能性があるため、温活で体を温めて健康的な生活を送りましょう。冷えの原因にはいくつもの原因があり、正しい知識を身につけて対策することが大切です。