春に旬を迎えるたけのこは独特の香りとシャキシャキした食感が特徴的。たけのこは体を作る上で欠かすことのできないたんぱく質を含んでいるなど、栄養面でも魅力がある野菜です。
たけのこの栄養素と効能

たけのこには様々な栄養が含まれていますが、その1つにたんぱく質があります。
たんぱく質というと肉や魚といった食材に多く含まれているので、野菜であるたけのこに含まれているのは意外ですよね。他にもカリウムや食物繊維に加えて、チロシンという聞きなじみのない栄養も含まれています。
ダイエットにも有用なたんぱく質
たんぱく質は糖質、脂質と並び三大栄養素と呼ばれています。その働きは筋肉や臓器の構成成分になるなど、私たちの体を作る上で重要な役割を持つ栄養素です。
また最近では、ダイエットのためにたんぱく質を積極的に摂る方も多くいらっしゃいます。
たんぱく質の代表格である肉や魚ほど多くはありませんが、生のたけのこ100gには3.6gのたんぱく質が含まれています。
さらに、たけのこのカロリーは100gあたり27kcalと非常に低いため、ダイエットしながらたんぱく質を補いたい方にオススメの食材です。
たけのこのカリウムは野菜の中でもトップクラス
カリウムは体の余分な塩分を水分と一緒に排出してくれる働きがあります。むくみが気になる、血圧を下げたいという方には積極的に摂っていただきたい栄養です。
なお煮物にするとおいしいたけのですが、野菜の中でも特にカリウムが多く含まれ、生100gあたり520mgほど含まれています。
そこで同じく煮物の定番野菜である大根と比べてみましょう。
大根に含まれるカリウムは、皮をむいた生の状態で100g当たり230mgであるため、たけのこは大根より約2倍ものカリウムを含んでいるのです。
白い粉の正体はチロシン
チロシンはあまり聞きなれない名前ですが、たんぱく質の元となるアミノ酸の一種であり、私たちの体にとって有用な働きを持っています。
チロシンはドーパミンという神経伝達物質を合成する際に必要で、幸せを感じたり集中力を上げるなど、脳を活性化させる働きがあります。たけのこを切ると、中心部分に白い粉のようなものがあり、それがチロシンです。
見栄えが良くないから・・・と白い粉を取り除いて食べると、せっかくのチロシンを捨てていることになります。茹でても白く残っていることがありますが、ぜひそのまま食べてみてください。
便通を良くする食物繊維
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。そしてたけのこに含まれるのはほとんど不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、水を含むと膨らみ便の量を増やすことで腸を刺激して便通をよくする働きがあります。ちなみに生のたけのこ100gには2.8gもの食物繊維が含まれています。
これは、キャベツやレタスといった食物繊維が多いと言われている野菜と比べても2倍近い量です。
たけのこを大量に食べるということは、食物繊維を多く摂ることになります。食物繊維を大量に摂ることで、消化器官に負担がかかり便秘になったり逆にお腹が緩くなったりする可能性があります。
食べ過ぎには注意して、適量を意識しましょう。
適量であれば便秘に効果的
食物繊維の摂りすぎには注意が必要ですが、適量であれば便秘解消に効果的です。現在、成人の方が摂っている食物繊維の平均値は18g前後ですが、理想は24g以上とされています。
食物繊維不足を防ぐために、目安としてまずは1日3~4gの食物繊維をプラスして食事に取り入れる工夫をしましょう。
たけのこの水煮はおおよそ1パックに150g入っており食物繊維は3.5gなので、1日1パック食事に取り入れるだけで目安の3~4gの食物繊維を補えます。
たけのこは春が旬ですが、水煮でしたら季節を問わず手に入りますよ。