実は汗をかきにくい人も太りやすいのです。
人間は、食物から代謝によって得たエネルギーで活動しますが、
代謝で出たエネルギーで仕事に消費されるのはわずか三分の一くらいで、残りは全て「熱」に変わるのです。
その熱を放出できない場合には体内にこもりうつ熱や熱中症になってしまいます。
「うつ熱」にならないように熱を体外に放出しているのが汗ですから、
汗は体が安心して「代謝」ができる保証人のようなものです。
車のエンジンに冷却装置が必要なのと同じです。
ところが、汗をかかない状態が持続したらどうなるでしょうか。
冷却装置が故障した車では、いままでと同じスピードで走ったらエンジンが焼け切れてしまうでしょう。
しかたなくエンジンの回転数を落として運転しますね。
人間の代謝とて同じです。
代謝をして熱が出ても、冷却装置である汗腺が働いてくれないなら、
体の方はうつ熱になりたくありませんから、しかたなく代謝の回転数を落として
熱をできるだけ出さないように自衛的に対応するでしょう。
つまり、汗をかかない(かけない)状態が続くと、人間は低代謝状態になるということです。
先の説明の通り、低代謝が原因の冷え性の人が太りやすいのはこのためです。
ですから、冷え性の人がダイエットをするならまず
「汗腺トレーニング」などで汗をかきやす体質にすることが大切です。
現代社会では、エアコンの普及などで、うまく汗をかけない人が増加しています。
腋や手のひらなどの局所の多汗症の場合には、
生活の支障になる場合もありますから、抑えることもよいでしょう。
しかし、体全体の汗は、人間が生きていくための大切な生理的発汗です。
いい汗をかいて健康的な生活をこころがけたいものですね。
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