スーパー大麦の3つの食物繊維
このようにスーパー大麦は、水溶性及び不溶性3つの食物繊維、β‐グルカン・フルクタン・レジスタントスターチを含有します。
3つの成分は分子の大きさが異なっています。
フルクタンが一番小さく、次にβ-グルカン、そして一番大きいのがレジスタントスターチです。
分子が小さいものほど、発酵速度が速く、分子が大きいものほど、発酵速度が遅くなります。
発酵速度の違う3つの食物繊維が、腸の入り口から「腸の奥」まで段階的に届くのです。
水溶性食物繊維のほとんどは小腸と大腸の上部にすんでいる腸内細菌で消費されてしまいます。
そのため、大腸の奥に住む有用菌は栄養不足になり、悪玉菌が優勢になりやすいのです。
悪玉菌が活発に働くと毒素を作り出し、大腸の奥の腸内環境が悪化します。
スーパー大麦は、不溶性・水溶性の食物繊維からなる細胞壁がレジスタントスターチを包み込むコンプレックス構造となっているため、レジスタントスターチを大腸の奥までしっかりと届ける事が出来ます。
通常の食物繊維が届きにくい大腸の奥まで届く「レジスタントスターチ 」を高含有するのがスーパー大麦の最大の特徴とも言えるでしょう。
スーパー大麦はダイエットに効果的なのか
腸内細菌には、消化されたものを体内に溜め込んでしまう「ファーミキューテス」という菌が存在します。
肥満の人ほどファーミキューテス類の腸内細菌が多いという研究報告があります。
一方、「バクテロイデス」と呼ばれる菌も存在します。
バクテロイデスは、脂肪細胞に働きかけて脂肪の吸収を抑えたり、脂肪の燃焼を促進させる働きを持っています。
つまり、太りにくく、痩せやすい体質になるためには、「バクテロイデス」の割合増やし、「ファーミキューテス」の割合を減らさなければいけません。
そのために求められるのが、善玉菌が多い健康的な腸内環境なのです。
つまり、大腸まで届いて善玉菌の栄養源となるレジスタントスターチを多く含むスーパー大麦は、腸内環境を整えて、「バクテロイデス」の割合を増やすためには有効な食品だと言えるでしょう。
また、β−グルカンは、食べ物を包み込んで消化管をゆっくり通過して、血糖値の上昇を抑える作用が期待されています。
血糖値が安定することで、強い空腹を感じにくく、また満腹感の維持作用についてもその効果が認められています。
食べ過ぎの防止にも効果的です。
もちろん、体脂肪を減らして痩せるためには、摂取カロリーと消費カロリーの収支決算がマイナスになること、またそれを推し進めるために、運動量を増やして消費カロリーをアップさせることが大切です。
その意味では、食べるだけで痩せる食べものは存在しません。
ただ、痩せやすい体内環境を作るために、食べものを選択する事は重要です。
その意味では、スーパー大麦は「痩せ体質を作る」食べ物として積極的に選択したいですね。