骨盤のゆがみと原因とセルフチェック方法

骨盤とは腰の辺りにある大きな骨のこと。この骨のゆがみが、さまざまな体のトラブルを引き起こすと考えられています。ここでは、骨盤がゆがむ原因や、ゆがみの改善方法などを紹介します。

【骨盤のゆがみの原因は?】

まずは、骨盤がゆがんでしまう原因をいくつか見ていきましょう。

脚をよく組む

脚を組んで座ると骨盤は斜めに傾き、さらに捻じれた状態になります。すると、筋肉はこの状態のまま体を安定させようとするため、足を組まなくても骨盤のゆがんだ状態がキープされてしまう可能性があります。

バッグを片側だけにかける

一方の肩にだけバッグをかける習慣があると、体はバランスをとるために重さのかかっている肩を持ちあげようとします。そのため、バッグを持たないときも片側の肩が上がった姿勢になりがちです。肩の骨は背骨を通じて骨盤とも繋がっていますから、少なからぬ影響を受けることになります。

うつ伏せで寝ることが多い

うつ伏せで寝る方は、多くの場合、首を左右どちらかに曲げています。その姿勢が続くと、まず首の骨である頸椎(けいつい)がゆがむことがあります。そしてゆがみは背骨を通じ、やがて骨盤にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

左右どちらかに体重をかけて立つ

どちらかの脚に体重をかけて立つクセのある方は、常に骨盤が左右どちらかに傾いた状態になります。当然ながら、これは骨盤のゆがみの大きな要因となります。

【骨盤がゆがんだまま放置しておくと】

骨盤をゆがんだままにしておくと、どんなことが起こり得るのでしょうか? まず、ゆがみが骨盤内部の血管の圧迫に繋がる場合があります。血行が悪くなれば冷えや肩こり、頭痛や腰痛に見舞われてしまうこともあるでしょう。 骨盤が前方にズレている場合、体はバランスをとろうとして胸の位置が後方にズレます。 すると、今度は胸のズレをかばうため頭が前方にズレます。この姿勢は――そう、猫背ですね。 骨盤がゆがんでバランスが崩れると、体がそれを調整するために猫背になる場合があるのです。 また、骨盤がゆがんで広がると、股関節が外側にずれ、両脚の骨や関節も外側に広がります。そうなると脚の外側の筋肉ばかりが発達し、内側の筋肉が弛緩するため、O脚になってしまうこともあります。 このように、骨盤のゆがみを放置したままだと実に多くのトラブルを引き起こす可能性があるのです。

【骨盤のゆがみチェック方法】

横から見たときに、頭と足をつなぐ直線上にあるのが骨盤の正しい位置。しかし、それを自分で確認するのは少々難しいかもしれません。そこで、簡単にできるセルフチェックの方法をご紹介します。あなたの骨盤の状態を、チェックしてみませんか?

足踏みチェック

床に印をつけ、その上で足踏みをするテストです。目を閉じて、腕を前後に大きく振り、太ももをしっかり上げて50回の足踏みをしましょう。終わって自分の位置を確認したとき、印よりもズレていたら骨盤がゆがんでいるかもしれません。

壁にピッタリくっついてチェック

壁に後頭部、お尻、かかとをつけて立ちます。壁と腰の間に、第二関節を曲げた手のひらが入るくらいの隙間があれば、骨盤の位置はおそらく正常です。握りこぶしが入るほど広い場合は骨盤が前に、手のひらが入らないほど狭い場合は骨盤が後ろに傾いている可能性があります。

【骨盤のゆがみを改善するには?】

骨盤のゆがみをすぐに直すことはできませんが、毎日エクササイズを続けることで、正常な位置へ近づけることは可能です。エクササイズといっても難しい動きはありませんので、気軽にチャレンジしてください。

骨盤回し

足を肩幅ほどに開いて両手を腰に当て、そのまま腰を水平に回します。なるべく膝を曲げず、フラフープを回すように回転させるのがポイント。右回し、左回し各30回を1セットして、1日数セット行いましょう。

お尻歩き

両脚をまっすぐ伸ばして座り、体をひねりながらお尻で前に進みます。骨盤の動きを意識してひねりましょう。10歩進んだら、今度は10歩戻ってひと休み。これを3セット繰り返してみてください。

お尻上げ運動

仰向けになって両腕を体の横に置き、ひざを立てます。肩と両手で体を支えながら腰とお尻を浮かせ、この状態で10秒間キープ。体を戻して少し休んだら、同じ動作を繰り返します。1セット10回ほど、1日2セットが目標です。 骨盤は、上半身と下半身をつなぐ重要な部分であると同時に、ちょっとした生活習慣でゆがむ可能性のあるデリケートな部分でもあります。常に正しい姿勢を意識して、骨盤のトラブルのない毎日を送れるよう心がけましょう。